はじめに

(株)地球システム科学 上村三郎 (技術士:応用理学)

アフリカの東部に位置するスーダンは、周りをエジプト、エリトリア、エチオピア、南スーダン、チャド及びリビアの6ヵ国に囲まれており、2011年7月に南スーダンが独立し、国土面積は約189万km2と縮小したものの、アフリカではアルジェリア、コンゴ民主共和国に次ぐ面積を有しています。また、南スーダンが独立したことから、この国は沙漠気候からサバンナ気候が主体となっておりますが、広大な面積を有するスーダンの水事情は日本とは比較にならないほどスケールが大きく、自然環境に応じた独自性があります。

スーダンの水事情は2008年6月から実施された日本のスーダンに対する技術協力プロジェクトである「水供給人材育成プロジェクト」他に関与した㈱地球システム科学、日本テクノ㈱及び㈱国際開発センターの各専門家が共同でそれぞれのテーマを執筆しています。そして、2013年10月にある程度の情報が集まったことから、「スーダンの水、その知られざる姿に迫る」を国際開発ジャーナル社より㈱地球システム科学の20周年記念事業の一環として出版しました。しかしながら、水供給人材育成プロジェクトのフェーズ2が2011年11月から2015年9月まで実施されることになっており、しかも「スーダンの水」の出版時よりも更なる情報が入手されていることから、㈱地球システム科学のホームページに継続して連載することとなりました。

このコラムではスーダンの水分野の多岐にわたるにテーマをわかり易く解説しています。ホームページにスーダンの水事情を連載した背景は、スーダンに関心を寄せる日本の皆様にこの分野の正確な情報を少しでも早く提供するとともに、微力ながらもスーダンの水事情に対する理解が高まることを切に願ったからです。また、本コラムの執筆に際しては極力専門用語を用いることなく、しかも図表や写真を数多く使用して理解を高める努力をしています。

なお、本コラムの執筆に際して独立行政法人国際協力機構(JICA)の事業に直接関係するテーマに関しては、JICA及び同スーダン事務所の事前承認を受けていることを申し添えておきます。

執筆者紹介

上村 三郎(株)地球システム科学 1-1.地形 | 1-3.気候 | 1-4.植生 | 1-5.地下水 | 1-6.ナイル川 | 1-7.青ナイル川 | 1-10.ナイル川の中州 | 2-1.ダム | 2-2.灌漑施設 | 2-3.ハフィール | 2-4.井戸 | 3-1.地方給水 | 3-3.ミネラルウォーター | 4-1.北部州 | 4-2.紅海州 | 4-6.青ナイル州 | 4-7.南コルドファン州 | 4-8.ダルフール地方(1) | 4-9.ダルフール地方(2) | 4-10.ダルフール地方(3) | 4-11.画期的なハワタプロジェクト
大鹿 祐介(株)地球システム科学1-7.青ナイル川 | 1-10.ナイル川の中州 | 4-1.北部州
大橋 憲悟(株)地球システム科学1-2.地質 | 1-5.地下水
小野寺 純(株)地球システム科学4-4.センナール州 | 4-5.白ナイル州
木村 亮一(株)地球システム科学3-1.地方給水 | 4-4.センナール州 | 4-5.白ナイル州
黒田 康之(株)国際開発センター3-1.地方給水 | 4-3.カッサラ州
坂本 浩之(株)地球システム科学2-6.海水淡水化施設 | 3-4.漏水 | 4-3.カッサラ州
佐々木 新(株)地球システム科学1-8.白ナイル川 | 4-4.センナール州
佐藤 匡史(株)地球システム科学1-8.白ナイル川 | 4-4.センナール州 | 4-5.白ナイル州 | 4-8.ダルフール地方(1) | 4-9.ダルフール地方(2)| 4-10.ダルフール地方(3)
七條 寛(株)地球システム科学1-2.地質 | 1-4.植生 | 1-5.地下水 | 1-9.アトバラ川 | 2-6.海水淡水化施設
4-2.紅海州 | 4-3.カッサラ州 | 4-11.画期的なハワタプロジェクト
松尾 俊作(株)地球システム科学2-5.浄水場 | 3-2.都市給水
山本 誠日本テクノ(株)2-5.浄水場 | 3-2.都市給水 | 3-4.漏水