地球システム科学

水資源・環境事業

水の世紀 私たちのミッション

 21世紀における国際社会の共通課題として認識されている水問題は、水不足・水汚染・水紛争などを包摂する概念として定着しています。「水の世紀」という言葉は、1995年の世界銀行副総裁イスマル・セラゲルディン氏よる「21世紀は石油に代わって水が紛争の原因となる」との警告から発生しました。すなわち、「21世紀は水の世紀」という概念は、水問題への理解と解決なくして世界の平和は訪れないという考えが根底にあると言えます。私たち地球システム科学は、その解決に向けて、水資源開発、地域水道開発、流域環境管理の3つのコア事業の展開により、世界の水問題へのトータル・ソリューションを提供することをミッションとしております。


水資源開発事業

 現在、アフリカ・アジア・中東の34ヶ国が深刻な水不足国に分類されており、これら水不足国の合計人口は、2025年には現在の4億7000万人から30億人に増加するものと予測されています。今、急速な人口増加と食料増産のため増え続ける水需要に、地下水開発は追いついていません。また、国連環境計画のリポートによれば、世界の主要河川の半分以上で枯渇や汚染が深刻化していて、農業用水や工業用水・飲料水など川に頼る流域住民の健康や生活が脅かされています。  地球システム科学は、あらゆる自然条件での水資源調査・開発の経験とノウハウを有しており、特に水資源開発の難しい乾燥地帯や基盤岩分布地域においての新規水資源開発に貢献してきました。また、開発に伴う社会・環境へのリスクを考慮した、「水資源の持続的な開発可能量」の提案も早くから取り組んで来ました。私たちの調査により計画された水源が、世界中の多くの開発事業で利用されている由縁でもあります。


地域水道開発事業

 その地域の水循環のシステムをうまく取り込んだ水源を利用し、地形、需要構造、居住形態等の村落の成り立ちの違いを反映した給水施設を建設し、住民の参加により事業運営ができる規模の水道事業を計画する。地球システム科学は、このようなコンセプトに基づいた地域水道を提供し、これまで施設の運営・維持管理に問題の多いアフリカ諸国においても、持続的な給水事業を成功させています。  施設の建設後、住民により水利用組合が結成され、定期的な運営・維持管理活動により事業収益を得ることができる。このプロセスは、住民のソーシャル・キャピタル(Social Capital:社会関係資本)を形成させ、水事業へのフォーマルな参加を促進します。住民の水事業への参加は、施設の持続性のみならず、地域の水資源管理にも大きく貢献しています。  また、近年はドナー間の援助協調によるセクター・ワイド・アプローチ(Sector Wide Approach)が取り入れられたアフリカでは、地方分権化が進んでいます。地方分権により新しく水道事業実施機関になった地方自治体の事業実施能力向上は、アフリカ諸国の課題です。地球システム科学は、このような地方自治体の水道事業実施能力向上プロジェクトにおいても早くから取り組み、評価の高い成果を上げています。


流域環境管理事業

 流域内における過剰な取水は、河川、地下水、湖沼などの流量・水位を低下させ、河川においては「環境流量の不足」、地下水においては「地下水障害」を引き起こします。その結果起こることは、環境負荷に対する流域の持つ自浄能力の低下、河川・湖沼・湿地帯が形成する良好な景観や観光資源、多様な生物の生息環境の悪化、漁業や舟運への支障、河口部における塩水浸入や河口閉塞など、その影響は流域全体の環境や経済にまで及びます。
 先進国主導の開発優先の支配的なパラダイムによる個別プロジェクトは、かつて多くの環境障害を引き起こしました。近年注目されている統合的水資源管理(IWRM:Integrated Water Resources Management)の概念は、水資源の量と質、水利用の諸目的、利害関係者の関与を流域全体で「統合的」に考える、新しい水資源および流域環境管理のプロセスであります。
地球システム科学は、流域環境の各種調査の実施に留まらず、我が国の開発コンサルタントの中で、一早く統合的水資源管理(IWRM)に取り組んでいます。

過去3年間の業務実績