地球システム科学

【プロジェクト】ボリビア国 国道7号線道路防災対策計画準備調査

JICA国際協力機構 無償資金協力プロジェクト

深刻な道路災害

 南米大陸の中央に位置するボリビア国は内陸国であり、主たる輸送手段は道路によるものです。同国の道路は各市町村コミュニティを連結する生活道路としてばかりでなく、物流や人的移動の基本インフラとして極めて重要度の高い存在です。とくに東部の中心都市サンタクルスから西に向かう国道7号線はコチャバンバやスクレなどの主要都市方面へと連結する交通、輸送の中心路線であり、経済活動を支える基幹といえます。この路線が何らかのアクシデントで通行止めとなると迂回路は80㎞も北側の国道4号線を利用することになりますが、両路線間には険しい山岳地形があるため連絡路はないため、その迂回キロ数は100㎞単位となり日単位での輸送遅延や車両の集中による交通の乱れを生じることとなり経済的なダメージは日々増大しているといえます。

 この国道7号線は基幹路線でありながらアンデス山脈の東縁部を通過するので大部分が山間部を通過しており、常に土砂災害のリスクにさらされています。実際に同路線区間では繰り返して大きな道路災害が発生した履歴があり、とくに2006~2007、2008~2008年の雨期に発生した集中豪雨では多くの人名が失われるとともに橋梁の流出や土砂崩れによって数日間にわたる通行止めが生じ物流の遮断によって周辺地域に深刻な社会、経済状況への打撃がありました。

 このようなボリビア国の道路状況を鑑み、わが国では国際協力機構(JICA)により防災技術の向上を目的とした「道路防災および橋梁維持管理キャパシティデベロップメントプロジェクト」に着手し2009年からボリビア国の道路管理者を対象として業務体制の強化、防災・橋梁維持管理能力の能力向上に取り組んでいます。


道路防災工事の実例を示す

 前述のプロジェクトは道路管理者を対象をした技術力の向上を目的としますが、それにプラスして防災工事の実例を示すことによってさらにボリビア国全体での防災レベルの底上げを図る必要があります。なぜならば、ボリビア国の道路管理予算は十分なものではなく、災害リスクの高く極めて危険な箇所を道路管理者が把握していても、繰り返し新しい災害が生じその手当てに予算が使用されるので、いつまでもリスクの高い箇所が放置されている実状があるからです。そのために同国全体の防災技術は依然として発展途上段階であり、防災工事を施工できたとしても地形改変を主体とする土工事を中心とするもので恒久対策とは言い難く、規模の大きい災害には対処できていません。

 そこでわが国は無償資金協力事業「国道7号線道路防災対策計画」を立ち上げ日本でおこなわれている基本的な防災工事を施工し現場で実例を示すこととしました。この防災対策工事は災害が発生した場合とくに大きな経済・社会的影響が見込まれる危険箇所のうちボリビア国の工事技術では施工が困難であると判断される箇所を対象におこなわれるものです。現在同プロジェクトでは防災工事の準備段階として対象工事箇所の選定、工種決定のための調査、予備的な設計作業が業務として順次すすめられています。