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実績紹介

【プロジェクト】カリブ災害管理向上プロジェクト・フェーズ2

JICA国際協力機構 技術協力プロジェクト


広域防災のため体制づくりと支援

中米カリブ海東縁に連なるカリブ諸島の国々では、大型ハリケーンや洪水災害が頻発していますが、経済規模の小さい島国が多いため、それぞれの国が災害に対処するのが難しい状況にあります。そうしたなかで、カリブ地域全体の総合災害管理の調整機関として、国際機関Caribbean Disaster Emergency Management Agency(CDEMA)が設立されました。

本プロジェクトでは、CDEMAのほか、同じく国際機関であるカリブ気象水文研究所や、ガイアナ大学、西インド諸島大学といった研究機関と協力し、計5ヶ国の洪水リスクの高いコミュニティを試験サイトとして、カリブ地域全体の災害対応能力向上のための技術協力を行いました。弊社からは、2009年3月~2012年6月にかけて、『水文データベース/GIS』、及び『コミュニティ防災』の各分野の専門家が参加しています。


地域研修機関を核とした成果展開への道筋づくり

カリブ地域各国のハザードマップを整備していくにあたって、その中核となるのがカリブ気象水文研究所(Caribbean Institute of Meteorology & Hydrology: CIMH)です。CIMHは気象・水文にかかる研究機関であると同時に、各国の水関連省庁職員のトレーニング機関でもあります。

プロジェクトでは、ハザードマップ作成の基本データとなる降雨や河川水位のデータをCIMHに集積し、Webデータベースを構築するための支援を行いました。
また、構築したデータベースが継続的に運用されていくよう、その具体的な活用方法として、降雨解析や流出計算、無料の解析プログラムとGISを用いた浸水想定区域の作成など、ハザードマップ整備に向けた技術研修を継続して実施しました。

カリブ地域の研修機関であるCIMH職員が洪水ハザードマップ作成技術を習得することにより、プロジェクト成果が、効率的かつ効果的に広範囲に展開してくことが期待できます。


バリエーションを考慮したコミュニティ防災の推進

一口にカリブ地域といっても、その洪水タイプや地域の社会経済状況は様々です。ガイアナやベリーズなどの大陸国では長期的な浸水が問題となる一方で、小さな島国では突発的な洪水(フラッシュフラッド)が主な災害です。また、昔ながらの農業や漁業を営む集落もあれば、地域力の脆弱な近代化したベッドタウンもあります。

プロジェクトでは、こうした様々なタイプのコミュニティを対象とすることによって、実際に各行政機関がコミュ二ティの防災活動を推進していくにあたって直面するであろう様々な障害や、実践的なアプローチを身に付けることが出来るよう考慮しています。なかでも特に困難が予想されたセントルシア国の住宅地での活動では、昼間人口が非常に少なく集会を催すことが難しいなかで、住民たちは職場から帰ってから夜遅くまで、地域を災害から守るための真剣な議論を行いました。

こうした各国での活動の結果を反映して、プロジェクトでは、コミュニティ防災活動推進のための技術資料として、『コミュニティ防災計画策定マニュアル』を整備し、CDEMAはじめ各国の防災関連行政機関の災害対応能力向上に貢献しています。



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