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実績紹介

【プロジェクト】スーダン国カッサラ州基本行政サービス向上による復興支援プロジェクト

JICA国際協力機構 技術協力プロジェクト


東部スーダン・カッサラ州復興のために

アフリカで第三位の国土面積(189万m2:日本の約5倍)を擁するスーダン共和国は近年、三つの紛争を抱えていました。そのうちの一つ、南北内戦が2005年に終結し2011年7月10日に南スーダン共和国が独立したのは記憶に新しいところです。

カッサラ州を含む東部スーダンでも開発の地域格差に対する政府の不満や旱魃による飢餓や貧困が重なった事により、現地部族が武装蜂起し2005年以降政府軍との間で紛争が激化しました。この東部紛争は2006年10月にようやく終息しましたが、カッサラ州の主要な社会経済指標(保健、教育、水、貧困等)はスーダン全体と比較しても劣悪な状況にあります。

このような背景から、カッサラ州政府は州の最優先課題である給水、農業、母子保健、職業訓練分野において、州政府の行政サービス提供能力の強化を目的とする本技術協力プロジェクトを日本政府に要請しました。JICA(国際協力機構)は緊急性の高い復興支援として採択を決め、弊社はこれを協同企業体として受託し、給水分野の担当機関である州水公社へ『管網管理/施工監理』、『地方給水プログラム』、『物理探査』の各専門家を派遣しています。


給水サービス向上への挑戦

州水公社は都市部と地方部において、それぞれ課題を抱えています。カッサラ州の中心地カッサラ市では各戸給水を実施していますが、乾季に増加する漏水や大規模断水によりサービスが低下しています。これが原因の一つとなり、顧客からの水道料金徴収率は低く、水公社の経営を圧迫しています。

まずは安定的に給水できる体制を整え、顧客満足度を上げる対策が必要です。そこでプロジェクトでは活動の一つとしてGISを活用した管網管理台帳を水公社職員と共同で作成し、近い将来避けられない古い配水管の更新計画立案に取り組んでいます。


住民に「平和の果実」を味わってもらうために

カッサラ州での安全な水へのアクセス率は2006年時点で39%とスーダン全体の56%と比べても、かなり低い状況にあります。カッサラ州の地方部の多く村は井戸ポンプにより汲み上げた地下水を飲料水として利用しています。いろいろな要因がありますが、州内の多くの村で給水施設が故障して放置されたままになっています。

紛争が終わった今、「平和の果実」である復興の成果をなるべく早く地域住民に体感してもらい、住民と水公社の信頼関係を構築することが重要です。このプロジェクトでは専門家と州水公社がパイロット事業として、地方のある村の給水施設の改修を実施し、住民との話し合いを繰り返しながら、カッサラ州における給水施設維持管理のモデルづくりに取り組んでいます。


新たな水源を求めて

カッサラ州北部は岩盤地域が広がり有望な地下水源に乏しく、いくつかの村では危機的な水不足に陥っています。新たな地下水資源を精度よく、効率的に確保する為、プロジェクトでは弊社の専門家により、OJTを通じて水公社の技術系職員に物理探査(2次元比抵抗探査)技術の指導を実施しています。

この技術を他州の水公社にも広げる為、首都ハルツームのPWCT(国営水公社研修センター)で弊社が受託した水供給水人材育成プロジェクトフェーズ2と連携しながら研修も実施しています。

本プロジェクトは2014年5月まで継続される予定です。





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