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モロッコ水物語

はじめに

私は1985年に、当時の総務庁青年海外派遣団の一員として、最初にモロッコを訪問した。これが私の初めての外国訪問であり、27歳の時であった。それから10年近くは全くモロッコとは関係のない東アフリカや南西アジアを中心に活動していたが、縁とは不思議なもので、1994年11月に突然モロッコへの出張が決まると、それからは堰を切ったように無償資金協力による地方飲料水供給計画を始め、2回の専門家派遣等訪問や駐在する機会が多くなってきた。当然のことながら、私は他のどの国よりも長くモロッコの水資源開発や地方飲料水供給計画に関係することとなった。そして関連するデータも数多く蓄積しており、国際理解の観点から一部には学会や大学でその成果を発表してきた。

しかしながら、学会や大学での発表でモロッコの情報を入手できる人はごく少数であり、当時はモロッコの場所を正確に示すことのできる人は少数であった。一方で現在はインターネットの普及によって、世界中のあらゆる分野の情報を瞬時に入手できる便利な世の中になった。当然のことながら、人々はインターネットで訪問したい国やその国に関する情報を入手することが可能となったが、その反面、情報の洪水の中から、正確な情報を入手することは益々困難となっている。そのような中、オリジナリティーの高い情報を入手するために現地のJICA事務所や大使館のホームページにアクセスする割合は必然的に高まってくるが、定期的な更新を継続することは必ずしも容易なことではない。

私はJICAの専門家としてモロッコ各地の調査や各種会合に参加する機会が数多くあった。そして、これらの活動を通して得られた情報はオリジナリティーの高いものであり、このような生の貴重なデータをモロッコに関心を寄せる人々に分かりやすく伝えることが今後のモロッコに対する援助を考えた場合、非常に重要と考えられる。そこで、私は一般の読者を想定した上で、専門用語をあまり使用せず、写真や図表を数多く用いた「モロッコの水物語」を2005年8月より2006年12月まで16回に亘ってJICA便りに連載してきた。

「モロッコの水物語」をJICAモロッコ便りに連載する中で、様々な反響を読者の方々に頂いた。そして、その後新たな情報が入手されるなど16回の連載では記述できていない分野もまだ数多く存在しており、それらは、後日資料を分析し続編として発表する予定である。この水物語を通して、多くの方々にモロッコの水事情が少しでもご理解いただけることを心より願っている。

なお、著者の上村三郎は2008年1月より㈱地球システム科学に入社しており、本文を会社のホームページに掲載することになった。掲載に当たっては事前に国際協力機構(JICA)本部とJICAモロッコ事務所の承認を受けていることを申し添えておきます

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